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204.会社が永続して発展し続ける条件とは?(最終回)「不断の改善」

2019/12/26

ビジョナリー・カンパニーのまとめ、8回目の最終回は「不断の改善/決して満足しない」です。

ビジョナリー・カンパニーでもっとも大切な問いは、「明日にはどうすれば今日よりうまくやれるか?」との事。
ビジョナリー・カンパニーが素晴らしい行動を取り、実績をあげている理由は、最終目標を達成する事や、その事を喜ぶ事ではなく、常に改善を進め将来のために投資する終わりのない過程の結果といえます。

「不断の改善」。
この言葉は1980年代に流行りましたが、ビジョナリー・カンパニーはもっと以前からそのことに取り組み常識となっています。
P&Gは1850年代にすでにこの考え方を採用し、3Mは1910年代、マリオットは1927年、ヒューレットパッカードは1940年代にはこの言葉を絶えず使っている。

そしてこの「不断の改善」を徹底させるために、訓示やその重要性を訴えるだけでは不十分なため、常に不安感を作り出し、内側から駆り立てる仕組みを作っている。

例えば、

  • ・P&Gはブランドマネジメント体制を取り、社内のブランド同士が競争する仕組みを作っている
  • ・メルクは利益率が下がった製品のシェアを意識的に落としていき、革新的な新薬を開発せざるを得ない戦略を採用している
  • ・モトローラは売上高に占める比率が高い成熟した製品から撤退、その穴を新製品で埋めるしか無いようにする方針を取っている
  • ・GEは従業員がグループ毎に集会を開き、改善の提案を話し合って具体的な提案をまとめ、管理職は議論に参加することは許されず、全員の前でその場で回答しなければならない
  • ・ボーイングは不安感を生み出すために、競争相手の立場に立ちボーイングを壊滅させる戦略を立案する任務を管理職に与え、ボーイングが取るべき戦略を考えていく
  • etc…

    さらには不安感を持ち続けるだけではなく、将来のための投資を惜しまない点も共通しています。
    具体的にはビジョナリー・カンパニーの売り上げ高に対する設備投資の比率は一貫して高く、研究開発費の比率は比較企業と比べて1.3倍にもなっている。
    また人材に対する投資も積極的で、自社の「大学」や「教育センター」に巨額の投資をして、徹底した研修の能力開発を進めている。
    このように、ビジョナリー・カンパニーは長期的な視野(それは50年先を意味していることが多い)に立ちながらも短期的な利益の追求の手も緩めない。

    不安感をもたらす仕組みと将来のための長期的な仕組みがある事、言い換えると、決して安心感を得ることが目的ではなく、
    ビジョナリー・カンパニーは
    昔ながらの厳しい自制、猛烈な仕事、将来のための絶えざる努力が基本的な要素である。
    近道も抜け道も魔法の薬もない、成功を収めてもそれが終点になる事もなく、長期にわたる厳しい仕事が必要である、
    との事でした。

    これでビジョナリー・カンパニーの共通点8項目全て終わりですが、
    理念を軸に、常に絶え間ない工夫を重ね、満足・油断する事なく道を極めていく姿は、日本の職人文化・道を探求する伝統文化に近いものを感じました。

    組織の大小に関わらずこのような在り方はとても参考になります。
    全てのビジョナリー・カンパニーも、もともとは零細企業から始まった訳ですから。