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チームコーチングSTORY1

2017/05/09

“相互依存型”のバラバラ経営幹部集団が“相互補完型”で「本気のチーム」に変わる

お互いに気を遣って言いたいことが言えず、部門毎の状況報告に終始する経営幹部達―。
幹部達が変わらなければ、会社の成長・拡大売上目標は達成できないことに見かねた経営者が導入した「チーム開発プログラム」で、経営幹部たちは何に気づき、どのようにして変わったのか?医療業界のとある地方の三代目社長率いる中小リーディング企業の事例を紹介する。

約10年前、父親の突然の死により30代でK社の代表取締役社長に就いたO社長。今期売上目標22億円は数千万円のショートの見込み。来期には3億円増の25億円の売り上げ目標を掲げているが、達成するには経営幹部がチームとして一丸となり、業務改革・新規事業の立ち上げなど全社的な取り組みを行っていかなければならないが現状の幹部組織は「お互いのことに関心がなく、自分の部門以外のことだけしか見ていない。信頼関係がないから気を遣って経営会議でも意見を言い合える状況にない」とO社長は現状の問題点を指摘する。
経営幹部の人数は6人。年齢は40代が中心と若く、それぞれは自部門の目標数字の責任感は強いが「会社として新たに3億円の売上をつくる」ことに関しては本気になれずにいた。各部門の数字の足し算では目標には届かない。必要なのは新しい自分たちのあるべき姿を明確にして各部門が責任を分担し、補完しあうことで新たな数字を作り出す「掛け算の組織」でなければならない。

幹部ひとりひとりが本気で向き合い一つのビジョンを作り上げる
チーム開発プログラム初日では、 O社長含む経営幹部7名全員で会社全体のビジョン作りを行った。「自分たちは何を実現したいのか、未来の理想像は何なのか?」自部門の状況にしか目を向けられず、互いに気を遣ってきた者同士は「本音」で話し合うことも難しい。チームコーチはプログラム中、メンバーの人間関係、力関係、感情など洞察し、議論中ひとりひとりを本音の発言へと導く。自分たちの価値観を共有し理解しあう作業は2日におよんだ。
「充実感に溢れる社員により、人生を豊かにできる『関わり』を創出します」
7人がゼロから作り上げたひとつのビジョンが完成した。「何のために売上を達成するのかが初めて腑に落ちた」「自分たちで結論を出せた達成感は久しぶりだ」。当初、お互いの考えが理解できずにいた幹部たちは同じような感想を持ち、共にビジョンを実現したいというエネルギーが湧いているのを感じた。自分たちだけで一言一句の妥協なしに、一つのビジョンを決められたことは7人の信頼関係と関係性の質を高め、「チーム」の第一歩となった。

7人が作ったビジョンを叶えるための新たな目標設計
チーム開発の第2部が、ビジョン策定の翌月から実施された。3億円を新たに売り上げ、25億円に到達することが自分たちの打ち出したビジョン実現のためには必要だ。「M&Aをしてでも達成する」、O社長は覚悟を決めているが7人は頭で理解しているものの、これまでの積み重ねでは達成できない数字の大きさに腹が括れない状態でいた。ストレッチした目標には新規事業、新商品開発、業務改善、人員配置、人材育成といったこれまでなかなか推進できなかった全社的な改革が必要だからだ。改革には、目標を各部門が分担して持つという従来手法ではなく、7人全員が全社的な意識、役割を担うことが求められる。しかし、K社の目標設定にはいくつもの問題点があった。誰もが目標を具体的に「自分ごと」と捉え「今すぐ行うこと」まで落とし込むプロセスが必要だが、当初目標に対する責任分担や戦略が曖昧なものであり、それが幹部たちの責任感が不足する要因であった。

幹部全員の「チーム開発プログラム」の実行フェーズ
K社が取り入れた「チーム開発プログラム」では、期間中、経営幹部全員への中間個別コーチング指導による個人の軌道修正がおこなわれる。架空の事例を題材にした研修とは異なり、実務そのものを話し合い決定し、その後実践という形でのプログラムと個別コーチングが行われるため、職場の変化・成果の表れやチームを引っ張るリーダーシップが高まりやすくなるのだ。
個別コーチングでは、チームコーチによる個別質問を通して、自分たちが決めた行動の方向性や枠組みを整理する。議論が行き詰まり、本音が出せなくなるメンバーのフォローなど、プログラムの過程で起こる心理面での支援なども行われる。全体プログラムと個別コーチングにより「自分で考え、自分で行動し、自分で責任を取る」という意識と行動の変化を促し、チームが形成されていく。

組織を自ら変え、チームとして成果を出すサイクルが開始
幹部全員のプログラムと個別コーチングを組み合わせた「チーム開発プログラム」を経て、3億円の目標と、その途中段階で複数設けられた中間目標、目標実現のための今やるべき
日常業務の詳細な設計が、7人で議論・策定された。自主的に経営幹部が集まり定期的にミーティングが開催され始めた。これまで「見えない3億円」が現実的な目標となり、今何をすべきかが明確になったからだ。これまでより本音で話し合える風土もできつつあることが議論を加速させた。今まで幹部たちから口々に出ていた下方修正案は出ず、目標達成するための建設的な話し合いが日々交わされていた。他部署に関心がなかった者同士が「全員で25億円を達成する。そしてビジョンに到達したい」。と感じていた。今までの“相互依存”の関係性はもうない。経営幹部たちが心を一つにして取り組む「チーム」がスタートを切った。

はじめから優れたチームといえる組織はまずない。本音で話し合える人間関係の再構築を行い、生きたビジョンを持つという土壌の整備は、チームでの“本音で話し合う会議”と、障壁を乗り越えるための個人のサポートによって可能になる。「チーム開発プログラム」は目標達成までのプロセスをチームで実際におこなっていく「実践型」で進めるからこそ、チームが出来上がり、社員が自主的に成長することを可能にするのだ。

現在、全従業員を巻き込みながら、困難な売り上げ目標達成に向けて自走中。
結果は先になるが、組織の変化は定着・さらに進化し続けている。