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162.理念が伝わる

2017/05/02

先日、神戸の同友会経営労働委員会有志の皆さんと三重県のお伊勢さん参りに行ってきました。
現地では三重県同友会の経営者の方々と合流し、外宮・内宮を参拝した後、夜は宿泊先にて宴会がありました。

車中でたまたま隣の席になったとある会社の30歳くらいの取締役の方と宴会でもお隣になり、
少しだけ経営のお話に。

創業100年近い会社の4代目として2年前に入社、
年齢的にも現場で叩き上げていくより社長の直下で修業した方が良いとのことで、
今は取締役としてこれまで社長を支えてきた経営幹部の上のポジションに座る。
当然の事ながら会社を継ぐ若手後継者に共通する悩みを聞くことになりました。

そんな中、私から1つの質問をさせて頂きました。

「ところで、◯◯さんが一番大切にされている事はなんですか?」

「嘘をつかないことです。」

即答で返ってきたその言葉になぜかしら不思議さを感じました。
だいたい「感謝」とか「信頼」といった熟語で返ってくることが多いけれど、
実際の行動がイメージできる表現は珍しいかも。
しかも小さい頃に親や先生からよく言われた言葉だなぁ。
懐かしくも新鮮さを感じていました。

そして次の瞬間、私の中で、この土地の特徴が思い起こされました。

お伊勢さんといえば、内宮は天照大神を祀り、その神器は八咫の鏡。
鏡はそのものを映し出すという事で、誠の意味を表します。
誠(まこと)とは真言(まこと)であり真事(まこと)。
つまり、「言ってる事」と「行い」が一致している事。

もしかしたら、この土地で代々受け継がれてきた伝統や文化が、
隣に座っている100年企業の事業承継者にも伝わってきているのかもしれない。

何千年も昔からご先祖様たちが大切にしてきたことが伝わる凄さ。
思いはもちろん大切だけれど、それをどのように伝承していくか、
この土地ではそれを神器やお宮・作法やお祭りの形として残して、
やがてその価値観が風土や文化として人々に影響を与え続ける。

経営理念をいかに伝えるかを悩む経営者が多い中で、
この国の中心存在である天皇家のさらに祖先の思いがこうして伝わっている現実を目の前にして、
ないかしら啓示のようなものを感じながら
1人自分の直感めいた大発見?に、ほくそ笑みながら宴の時間を過ごすことができました。
有り難い。

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