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159.職場に取り戻すべきものとは?

2017/03/17

ものの見方についてのお話。

もともと西洋は部分観、東洋は全体観が強いと言われています。

部分観とは、
物事を分離分割し、小さく砕き、把握する見方。
個人主義や、科学も分析し原因探求をし論証します。
西洋医学なども病気の部位を細分化していきパーツ毎の治療が主です。

一方で東洋、特に
日本人の得意な全体観は、
自然と人とは一体である、家族や地縁の繋がりを大切にし助け合いみんなで良くなる、話し合って解決する和の文化など、
運命共同体的な、目に見えない関係性や人の感情・情緒を大切に育んできました。
そこから日本独特のおもてなしや人に対する気遣い・気配り が生まれ、
信頼関係をベースに一枚岩の組織、共同一致の精神が日本の強みであり特徴となってきました。

この2、30年ですが、
欧米の人材育成・組織開発の分野では私が知る限り、部分観から全体観へシフト・強化する傾向にあります。
東洋哲学や日本の一致団結を学びに取り入れ、組織の目的やビジョンの統合、
目に見えない感情・情緒を扱うスキルアップのための研修トレーニングが増え、
さらには一致団結したチームでイノベーションを起こそうという傾向が増しています。

一方、
1990年のバブル崩壊以降、個人主義、成果主義を取り入れた多くの日本企業は、
個人の成果にのみ関心を持つ人が増え、職場の人間関係の希薄さが増し、
効率化と合理性の追求によりコミュニケーションが不足。
さらには価値観の多様化と世代間ギャップと相まって、互いに関知しない、連携の悪い職場が増え、
その事は業績のみならず、メンタルヘルス問題にも繋がっているようです。

かの松下幸之助翁も塾生にかく言われていたそうです。

「塾の真の狙いは、
1人の立派な人を創ることも大変尊いが、しかし同時に共同の目標を持って、共同一致して日本の将来というもの、
われわれの次代の人々をよくしていこうというところに我々の使命感がある。
“個々に優秀な人ができても事がしれてるわな。”」

これからの日本企業に必要なこと。それは日本人が得意だった全体観を取り戻すことに他ならないと確信する今日この頃です。

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